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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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歴史的な側面1 根付を持ちたくなる理由

昨日ブログをよくご覧いただいている方と話す機会があり、とても新鮮な気持ちになりました。
最近固い話が多かったので、今日は簡単に歴史的な経緯から根付を見てみます。

根付は、着物の帯から印籠や巾着、矢立、煙草入れなど提げる際に使われた実用品です。徳川家康が常備薬を印籠にいれて携行することを大名や上流武士に勧め、裃(かみしも:武士の正装)の際には印籠と根付は必須となりました。次第に大名たちはお抱えの彫刻師に意匠の凝ったものを作らせるようになりました。
また町人たちにおいても以前から根付は実用されていましたが、17世紀になると町人文化の台頭とともに武士の持つ根付に劣らず、贅をかけた根付がもたれるようになりました。たびたびの奢侈禁止令で、外見上の華美や贅沢は規制され、人目につきにくい根付などに「粋」な遊び心が凝縮されて行きました。
18世紀後半以降根付の質と量においても最盛期を迎えました。

ここで注目したいのは、社会が成熟してくることで実用品である根付から装飾品としての根付に変わったことです。持つ人の趣味嗜好、教養、ステータスなどをあらわすものとなりました。当然社交の場では見せ合ったりして比べて「粋」を競っていたことが発展に拍車をかけたのです。根付は持ち手の好みを反映させることよりは、現在とは比べものにならないくらい、もっと積極的にプライドを満足させるため、または自分を魅力的に演出するための小道具だったのです。現在でいえば高級時計が近い感覚かもしれません。

分かりやすく言えば、カッコ良さの象徴。俗っぽく言えば、もてたい男の必須アイテムだったのでしょう!?
現在残っている根付にはそうした町人文化の活気に満ちた勢いを感じることができます。今現在の根付はその「カッコ良さ」を持っているのでしょうか?

作り手たちも、美術を気取って作っているのではなく、人気なものや流行りものを取り入れて、持ち手の要望に応えていました。そうした新奇をてらう通俗的な面白さや多様性が魅力です。それに比べ自発的な個性や感情表現は現代根付ならではの魅力といえます。

根付は江戸文化の盛衰の歴史そのもの。興隆を極めた根付も明治維新とともに変化を余儀なくされます。次回はそこから。

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