雪女の肖像 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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雪女の肖像

空観 孫次郎スケッチ先日帰省して久しぶりの大雪の体験で思い出したことを、今後の創作の覚書にしようと思います。

私は雪が大好きです。特に朝起きてカーテンを開けると、前の夜に降り積もった雪が庭の灯籠やら木々たちに綿帽子をかぶせる風景が好きです。雪の降る日は確かに寒いんですが、風がないと逆に暖かく感じられます。ある程度湿っているからだと思います。

創作のヒントにというのは雪国らしく「雪女」のことです。雪女は美しいイメージなんですが、雪男というとイエティみたいな毛むくじゃらのモンスターになるので男と女でこうも違うのかと不思議です。
雪女というと肌の白い美しい娘のイメージが一般的だと思います。しかも少し冷たい態度で、あまり口数は多くない感じがします。今でならクールビューティというのでしょうかね。年の頃なら20代後半かなと勝手に考えます。衣装もやはり白で、髪が長い感じですね。初雪のようにはかなく消えるような寂しさが似合います。救われることのない過去を抱え、いつまで続くか知れない業の世界の住人。

雪に囲まれると暖かく感じたイメージから、雪女に看取られる男性は暖かさのうちに最期を迎えるのだろうなと想像してしまいます。暖かさのなかで最期を迎えさせることは雪女に残された唯一の人間らしさなのかもしれません。

日本版ファム・ファタルといった風情です。雪女は人の精気を吸いとり、凍死させるといった残忍さも併せ持ちます。全国各地でいろいろな言い伝えがあり、山姥で表されることもあるといいます。

冬のあいだ人々の生活を制限してしまう雪だけに、閉鎖的でネガティブな雰囲気が漂います。実際除雪作業とか、交通手段の遅れなど住んでいると大変なことばかりですが。。。雪のもつ閉鎖性と密封性が雪女にミステリアスな面を与えているのでしょう。雪に覆われた過酷な環境の一方で、大地に芽吹く生命の胎動。雪女には、雪のさまざまな側面が影響しています。油断すると生命の危険にもさらされながら、雪女に惹かれてい魅力にとらわれてしまう存在。

美学的にいえばニーチェの語る「ディオニッソス的な深み」、日本でいえば「幽玄」との共通性を感じますが、それはまた別の機会に。

いずれにしても雪女のイメージは、私にとっての女性像の原風景になっているのかもしれません。
いつか機会があったら、誰もみたことのない雪女を彫ってみたいなと思います。

写真は能面の「おもかげ(孫次郎)」のスケッチ。実物も見ましたが、あの口角の上がったところなんてモナリザに匹敵すると個人的に思ってます。

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