3度目の正直 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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3度目の正直

kukansuzume.jpgここ何日も雀の仕上げに取り組んでいます。やっと眼の象嵌がうまくいったので上機嫌。今日はその苦労話ですが、良ければお付き合いください。

というのも、今回は眼の象嵌を3回行ったため集中力との戦いでした。いつも使っているべっ甲の在庫がなくなり、今回はコハクを使いました。コハクは透明度も高くよく眼の象嵌では使われます。しかしクラックが入りやすく、熱にも弱いので加工には気を使います。

もともとコハクは太古に木の樹脂が化石化したもので、宝石の素材としても有名で、虫入りのものは博物学的にも特に珍重されます。国内では故郷の岩手で産出され、少し鼻が高い気分になる素材です。

そのコハクは以前金魚のときにも使っていましたが、今回は一度目のチャレンジのときは目を入れる最後の最後で片方は飛ばして、片方は欠けてしまいました。2度目のときはうまくいったものの眼の瞳がぼんやりしてしまい、泣く泣く削り、三度目にしてやっと気に入った象嵌ができました。

以前眼の象嵌について紹介しましたが、今回の八方にらみの眼。見る角度で視線が動き観ている人とずっと眼が合う状態です。象嵌のなかでも一番難易度の高い方法です。仏像の寄木造のように中をくりぬいて裏から眼を入れられたらどんなにいいことかとうらめしく思いつつ、作業に没頭。

特に注意するのは最終的に眼の表面を磨くと凸面レンズになるので、拡大鏡のように瞳を大きくするので、その大きさのバランスが難しいのです。またクリアに内部が透けるので穴の中も綺麗にしておかなくてはなりません。
今回は見返りなのでその視線を前方に向けるよう調整しました。

この雀さんはこのあと細かい部分を丁寧に仕上げて完成となります。これからは少しずつ魂が入っていくかのような感覚に陥っていきます。
これから卒業式のシーズン、この雀の羽ばたいていく日も間近です。

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