素材の活かしかた こんな日は月でも観に行こう

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小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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素材の活かしかた

木取り今日は材料の取り方についての創作ノート。作品づくりにおいて最初に検討するのは素材です。素材となる黄楊は限りある貴重なものであるのと同時に、作品との相性があるので無駄にしないためにも時間をかけて吟味します。私は手に入る可能な限り最上の材料を使うようにしています。
黄楊の場合は次のようなポイントで選びます。

まず10年から30年乾燥させて狂いのでないもの。そして年輪や向き、太さ、節の位置、重さ、緻密さ、耐久性、風合いなど素材の個性を思いながら選んでいきます。作家にとって一番心躍る瞬間です。相性のいい素材は自然と木の中に作品が浮かんで見えます。

それから私が一番気をつけるのは顔の向きです。ほぼ同心円状に広がる年輪に対して顔をどう向けるか?
例えばふくらませた両方のほっぺに輪ができるようにとか、とらなら木の年輪が縞模様のように入るとかといった効果も生まれます。また外周に向かうほど年輪の間隔は開くので、年輪を見せないように均一な地を活かした女性の顔といった具合です。顔でなくても布袋の腹に同心円状の木目が入るとか、両肩に左右対称の木目が入るとか、そのような作品には行き届いた作者の愛情が感じられます。

置き物や他の木彫の場合は素材の垂直性が重要視されます。ですがしばしば顔に斜めに入る年輪を見ると残念になります。木目の良さが台無しです。着色するなら木目は気にならないでしょうが、着色をしないならなおさらです。根付は360度全体の彫刻だから可能なのですが、顔の向きに合わせて木取りを変えられます。根付だからこそ素材を自由に扱えるのは根付作家だけに許された至福のひとときです。

卒都婆小町では安定感を持たせた三角形の構図ですが、小町の顔は僅かに左に傾かせ、さらに少し上を向かせています。木取りでもそれに合わせて木の向きを変え、木の芯から放射線状に顔の位置を決めています。

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