原点 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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原点

tengu先日久しぶりに故郷の岩手に戻った。
実家は北上川沿いの内陸部であったため震災の後遺症は想像よりも少なかった。
ちょうど桜の咲く季節、田植えの苗作りや畑の準備やらに追われ、活気に満ちていた。
ここには何も変わらぬ時間と営みが続いていた。

故郷の思い出は人それぞれ違うものだろうが、誰しもの原点がそこにはある。
澄んだ空と水。水を張った田には陽光が照り、餌をついばむサギに影をつけている。雑木林を歩けば流れるせせらぎに混じって鳥たちのさえずりが聞こえる。

「あのほら穴は秘密基地不だったな。」「あの木の後ろに宝物を隠したな。」「あの窓を乗り越えて叱られたな。」「ここで漆にかぶれてプールには入れなかったんだよな」…
幼いころの記憶とその時から自分の歩んだ長い歳月を思っていた。

あの頃は何もなかった。なくても十分楽しかった。世界は神秘にあふれ、あふれる好奇心と冒険心だけが毎日を彩っていた。自己実現と自己探求の出発点だった。

僕が彫刻をしているのは童心のころを見つけようとしているのではないかと思うことがある。自分の気持ちに正直になろうとするほど、たくさんの荷物を背負っていることに気づかされる。

写真は鼻を伸ばし見栄をはろうとする「天愚」。

| コラム | 12:39 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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