創作が苦手な芸術家 その3 こんな日は月でも観に行こう
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小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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創作が苦手な芸術家 その3

090205_1001~0001前回、作家の陥りがちな問題点を解決するための3つの目標を挙げました。

今回からその3つの目標について見ていきます。
まずは「1.作品全体の目的・構成を最初に組み立てられるようにする。創作には無駄なものはないので常にライン1本にも意味や必然性を意識する。」を考えてみましょう。

大切なことは、自分を客観的に見ること。

古今東西多くの名品に共通するのは、「無駄がない」ということ。
一本の線でも、色でもすべてが作品の中で協調して不必要なものがありません。
作品内のすべての要素が意味をなしているともいえます。

作品は偶然の産物でなく、必然の結果だと理解しないと、創作は始りません。
たとえば以下のような状況を作品にする時の具体的な方法を見てみましょう。
「夕立が上がったあとの雨粒を残す葉や蔦に囲まれて、夕焼けに染まりながらも白さをたたえる夕顔の花があったとします。」

その感動や衝動を作品に込める場合、あなたならどうしますか?
その目的を客観的に分析します。
目的1.夏の季節感と偶然の美しさを表現する。
目的2.健気に咲く花の可憐さとはかなさを表現する。
目的3.源氏物語に登場する夕顔を想起して表現する。
・・・・・・・・などなど
いくつも出てくると思います。
ただ花を描くのではなく、どのような表現をしたいのか考えます。

またそのときになぜ夕顔の花に惹かれたのか背景も考えます。
背景1.典型的な日本画の題材を探していたから。
背景2.自らの人生や過去の記憶、願いなどと重ね合わせたいから。
背景3.花好きの人へ贈呈したいから
・・・・・・・・などなど

今度はそれをどう表現するかを考えます。
またそれを誰に見せたいかを考えます。
またそれをどういう素材で作るか考えます。
またそれを・・・・・・・・・・・・

そのようにいろいろなファクターを通して考えをまとめていく中で、
効果的な見せ方を自然と身につくようになります。
いわば作家は演出家のように、全体を構成を捉えられるようになります。
何が必要な情報なのか、取捨選択をしてシンプルにしていきます。
ここぞという見せ場はひとつに絞っていくことで、緊張感が生まれます。
また見せ場を絞ることで情報の優先順位がつくので、画面の強弱を出しやすくなります。
そのためには無駄な情報は潔くそぎ落とします。

そうすることで作品の印象はがらりと変わります。
作品の存在する価値を常に作家は考えなくてはなりません。
何かの必要があってこそ、作品の存在感が生まれます。

次回は目標2についてみていきます。

写真はおなじみの「藤壺」の制作途中。今回の見せ場である、懐刀で自らの髪を落とす(出家の暗示)ところ。

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