革新~作家の乗り越える壁 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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革新~作家の乗り越える壁

vunus2.jpg作家には自分の持っている壁を一作ごとに破っていかねばなりません。そんな気持ちで毎回新しいチャレンジをしています。

2008年に発表したヴィーナスを振り返ってみたいと思います。
※写真は裏側になります。表側はこちらです≫

現代根付において他の作家があえて避ける不可侵領域の題材があるとすれば、それは美人根付です。
このヴィーナスは私にとっては初めての女性像です。2006年から彫り、足かけ2年を費やした、小さい大作(自分で言うのもおこがましいですが…)です。
このとき私には2つの目的がありました。

ひとつは、自分の理想とする女性とはどのような人なのか考えること。安らぎを与える存在なのか、心の琴線を鳴らすような存在なのか、いつも見守ってくれるような存在なのか、優しいのか、厳しいのか、美しいのか・・・。
ギリシア神話のヴィーナスの誕生になぞらえて、自分の理想像を追い求めてみました。

もうひとつは美人根付のジャンルにおける挑戦です。
西洋的な雰囲気と、裏側に込めた寓意。単に美しさだけでなく暗さを取り入れた空観流美人根付。限られた素材の中にドラマ性と謎解きをちりばめました。

しかし、課題もありました。初めて象牙だったので、今までの木彫と違い特殊な刃物が必要でした。彫り方も違います。
また寝そべる構図をいかにコンパクトにまとめるか。プロポーションのデフォルメ、動きの表現などクリアしなければならないことが多くありました。
果たして意図が達成できているかは皆さんの判断となりますが、その時の私なりのすべてを尽くしました。
ひとつ出来上がるとまた課題が生まれ、作家として作品は挑戦の連続です。
常に課題をクリアすることで新しい表現が獲得できます。
いつまでも課題を持ち続けながら向かい合った作品には終わりはありません。

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