画竜点睛 象嵌 こんな日は月でも観に行こう
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小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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画竜点睛 象嵌

今回は象嵌※1についてみていきましょう。

zougan.jpg

私は根付の眼を入れるのによく使用します。「眼は口ほどに物を言う」ということわざのように、大変印象が違います。素材の違い、光沢感の違い、色の違いなどから眼が引き立って見えます。

仏像の場合は玉眼といって、仏像を割って中をくりぬき水晶の義眼を裏からいれます。鎌倉以降の仏像でよく見られ、つややかな透明感が生きているかのような印象を与えるので流行しました。

根付の場合、象嵌は地を彫りこんではめるため、大変神経を使います。

良くやるのが、
・せっかく大きさを合わせて埋め込もうとすると、はじいてなくしてしまう(涙)。
・目を入れたらちぐはぐ(汗)。
・彫った大きさとあわない(嘆)
・深く彫りすぎた(泣)・・・・
といったことを繰り返しながら、何度も調整して進めていきます。

象嵌ばかりはテクニックの上達なしには語れません。納得がいくまで何度も手を掛けます。
象嵌がうまくいくと、それにかこつけてよくスパークリングワインで至福のひとときにふけります。

素材は、べっ甲、コハク、鹿角、象牙、白蝶貝、メノウ、真珠、サンゴ、他金属や宝石などいろいろなものを入れることがあります。(上の写真は素材がそれぞれ違います。雷神は鹿角とヘゴ、金魚は白蝶貝とべっ甲、鶏はべっ甲、兎はメノウ)
howtozoukgan.jpg

眼の入れ方には、いくつかの方法があります。
二重象嵌・・・白目と黒目(瞳)をそれぞれ象嵌する
八方睨み・・・透明度の高いコハクやべっ甲の裏に目を入れ、どこから見ても焦点が合うようにする
単象嵌・・・動物など瞳だけの場合、濃い色の素材を入れる

私がよく気を付けているのは、その象嵌の深さです。浅ければ外れる危険性があるので、しっかり埋め込むようにしています。
眼以外でも意匠でさまざまな使い方をしますが、異素材同志の組み合わせなので、破損がないよう注意します。
今回は技術的な話になりました。

※1ぞうがん【象眼/象嵌】(名)
(1)工芸品の加飾法の一。地の素材を彫って、その部分に他の材料をはめこんで模様を表す技法。主に彫金で用いるが、木・陶磁・蒔絵(まきえ)などでも用いる。彫金では糸象眼・平象眼・布の目象眼・高肉象眼などがある。「大辞林 第二版」

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