空観解体新書 その4 心地よい丸み こんな日は月でも観に行こう
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空観解体新書 その4 心地よい丸み

kukanswan.jpg今回は根付の基本形「楕円形」について。

楕円形は根付にとっては理想の形です。手の中で当たりが柔らかく、力が分散されます。角ばったところがなければ服を傷める心配もありません。
「円に始まって円に帰る」といっても過言ではないくらい奥の深い形です。

写真にあるのは白鳥の親子。長い首の白鳥を不自然ではなく根付の造形にまとめてみました。これにはストーリーがあって片方の翼でヒナをかばっているのですが、その話はおいおいします。

根付はこの楕円形の形をいかにまとめるかが腕の見せ所です。
一見自由な造形にもとられがちですが、古根付の名品にはこの楕円形を意識したものがほとんどです。作り手は当然この視点から根付を見ないと形の妙が見えてきません。

単に題材の面白さや奇抜さに目をとらわれることのないようにしなくてはなりません。
フィギアでもマスコットでもなく根付である所以はここにあるからです。

制約のなかで発想をふくらますことが根付です。
現代根付の制作において、制約を考えない向きもありますが、基本的な制約の中でまだまだ造形的な試みができる可能性を私は感じます。

goldenratio.jpgまた古代ギリシアから発見されたといわれ黄金律はミロのヴィーナスをはじめオリンポスの神殿のプロポーションにも使われましたが、この比率に照らし合わせた場合左の写真にあるように符合します。

黄金律は「神の比」とも呼ばれ、最も美しく感じるプロポーションとして知られています。

この黄金律は美術界では一般的すぎて、作家としては種明かしすると少し恥ずかしいのですが、今まで根付の造形の中で語られることがなかったので付け足しました。

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