創作に流れる精神 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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創作に流れる精神

kkn_main.jpg先日和敬塾(旧細川侯爵邸/目白台)において東京文化財ウィークの特別企画で根付の実演、展示が行われました。多くの来場者の方に根付を紹介する機会をいただきました。関係者の皆様、ご協力ありがとうございました。

さて本日は作品のテーマを考える際のもとになる概念を紹介します。根付の面白さのひとつに諧謔性(かいぎゃくせい)といって、皮肉を込めたたわいのないことを言って人を笑わせるという江戸時代の庶民感覚が宿っています。古根付には当時の町人たちの反骨精神に満ちた活気や息遣いまで伝わってくる楽しさを覚えます。

私が創作する際にも江戸時代の精神性を受け継ぎながら、いくつかのキーワードを表現に盛り込んでいます。
アンビバレンツ(相反する世界)、ミメーシス(擬態)、メタモルフォーゼ(変容)、カオス(混沌)、パラノイア(妄想)などの概念です。私は人間性の成長に興味があるので、心理学や哲学の言葉などに惹かれる傾向があります。
単に自然の美しさに身を置くのではなく、人間と自然との関係性や発展性を解明したいと思っています。実存主義の立場から自然を再構築しています。
そんなキーワードを読み解きながら作品をご覧いただけると幸いです。

写真は太陽に近づきすぎたために、蝋の翼が焼けて墜落して行くイカロス。落ちてもなお見果てぬ大空の頂きをめざす夢を抱き続ける姿。ここで表したかったのは生に執着するパラノイア。結果を恐れずに自らの空を飛ぼうとする勇気を彫りました。夢が打ち砕かれてもそれは失敗ではなく、成功へのきざはしとなるのです。


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