空観解体新書 その6 紐通しの孔 こんな日は月でも観に行こう
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空観解体新書 その6 紐通しの孔

kukanhimoana.jpg
今日は根付の最大の特徴でもある紐通しの孔(あな)について。

通常穴とも書きますが、穴はへこんだところ、孔は突き抜けたあなを指すので、ここでは孔と表記します。

この紐通しは実用上必要なものですが、現代根付では実用されないということから軽視される向きもありますが、私は積極的に創作に活かしています。
作例でいくつか見ていきましょう。実際に手に取らないと裏側を見る機会はないと思いますので、いくつか写真をアップしました。

「黎明・ヴィーナス」では髪の意匠に取り込んでいます。銀河の星たちを配置してビッグバーンとブラックホールに見立てて、片方は渦巻き状にもう片方は吸引される様子(写真)にしています。
「寝子」(猫)や「有頂天」(天狗)では生き物の形態を活かして、片方の脚の左右に孔をあけています。「有頂天」は提げると写真と天地が逆になりますが、もともと舞い降りるイメージなので下にくるように配置しています。
「七つ面」では写真では判別しにくいと思いますが、側面に円満大王の面がありそのひげと牧神パンの角の間に雰囲気を損なわないようにうがっています。もう片方の孔は側面の背中側から通して提げます。

実用することを想定して気をつけていることは次の通りです。
1.作品の向きや下がり具合を考える。
2.腰に当たる部分は収まりがいいように出っ張りを作らない。または少し平面で接するところをつくる。
3.通す紐を傷つけないように、孔の周りは丸みをつけておく。
4.孔の深さはなるべく深くして強度を持たせる。
大きな紐孔がデザインに違和感なく溶け込んでる根付はそれだけで粋なものです。

紐孔について基本的には、このような側面はなっています。
howtohimoana.jpg
片方は紐の結び目を入れるので大きくしています。これを基本にアレンジしています。
最初から孔の位置を考える場合もありますが、創作の途中で変えたりと最後までこだわります。表からは見えない裏側に神経を集中させるのは根付の醍醐味です。

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