無銘の価値 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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無銘の価値

kukansighn.jpg私の作品には「空観」銘を入れますが、お客様からの要望で銘を入れなかったことがあります。

そのお客様から聞いたのは古典でも名人が彫った根付でも無銘のものがあったとのこと。何らかの理由で銘を入れなかったそうです。理由としては、よっぽど作行きに自信があったからか、誰が見てもその名人の作だとわかるものであったからと考えられます。また自分の刻銘を意匠にうまく組み込んで省略しているものもあります。何とも粋なものですね。

私が彫った根付のなかで銘を入れていないのは「黎明・ヴィーナス」「七つ面」があります。黎明はお客さまからの要望で無銘にしました。七つ面は今までの私の作品のキャラクター大集合といったものなので私自身の作品であることが明確のため無銘にしました。私以外の作家で自分のキャラクターの面尽くしを彫られている方は見ていませんし、こんな手間のかかる作品を真似る人もいないだろうと思います。

どちらも私の特長が表れている作品だということになります。刻銘ではなく、作品の本質が良しあしの判断をさせるわけですから、自然と作家も力が入ります。無銘だからこそ腕の競い合いになる場合もあるわけです。

古根付の世界では刻銘だけで作家を断定することはなく、まずは作品本来の価値をみてから、刻銘をみます。刻銘だけでは真贋がわかりません。いつも愛好家を悩ませる問題です。

写真は現在創作中の白鳥の裏面にある刻銘と紐孔。
今回は銘がありますがちゃんと力入れています(笑)。

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