護符 こんな日は月でも観に行こう
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こんな日は月でも観に行こう

小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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護符

空観 寝子作家として根付に取り組んでいると、単なる彫刻や装飾品を超えて、持つ人に幸せや勇気を与えてくれるお守りとしての力を持っていることを気付かされます。

根付は持つ人のいろいろな思いが込められて磨かれていくもの。作り手の創作をしている時間よりもずっと長い時間を持つ人の手のなかで過ごすことになります。

写真は以前から親交のある方からのご依頼で2年前に彫った「寝子」。依頼主のことを詳しく書くのは、はばかられるので簡単に言うと、仕事のせいで夜も眠れないくらいのストレスを抱えて眠れない日々が続いていらっしゃいました。悪夢を食べる獏を依頼されたのがきっかけでしたが最終的に「寝子」になりました。写真にあるように天敵である猫の上で眠る鼠と猫が同じポーズで寝ているほど泰平の世の中。ご本人の安眠を願ったもの。
それ以上にご本人は辛い時や大変なことがある度に、この猫の笑顔にあやかって気持ちを新たにしているそうです。ときどき猫にお供えもしてくれているそうです。いつも可愛がっている話を伺うと創作する喜び以上の感慨があります。

根付がカタチ以外に大切な意味を持つことを改めて教えられます。それは愛情や尊敬といったものなのかもしれません。作品の価値とはそうした思いの積み重ねではないでしょうか。これは私にとってもたいへん大切な作品です。

誰でも自分に存在価値を認めてもらいたいもの。私だからこそ彫ってほしいと、わざわざいわれると当然力も入ります。私に込められた期待をうまくカタチにできると作家冥利に尽きるものです。

根付を通して多くの出会いができることに感謝します。

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