根付鑑賞キーワードその7 デフォルメ こんな日は月でも観に行こう

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小さな変化に心を傾けてつづる空観流ひとりごと

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根付鑑賞キーワードその7 デフォルメ

寝子 空観最近あまり更新していなかった根付鑑賞キーワードのなかから、今日はデフォルメを取り上げます。

デフォルメ(仏: déformer)は創作者にとって、とても魅力的な表現です。辞書では「モチーフの特徴を誇張・強調した変形を加える表現手法」とありますが、創作されるもの全てにこのデフォルメが施されているといっても過言ではありません。

デフォルメは根付にとっても、重要です。それは大きさが約一寸ともなれば物理的にも表現の幅に制限がでてきます。表現したいポイントを絞り込み、そのポイントを効果的にまた、そのものらしく見せることができます。その何を表現したいのか、そのポイントがどこなのかを鑑賞者が想像するのも愉しみの一つであるのは言うまでもありませんが。作り手と鑑賞者のコミュニケーションを促している言語とも言えます。

プラモデル模型を作っている方の話で、車を1/24のサイズで作る場合、本物を忠実に縮小しても雰囲気が変わって見えるため、車高や車幅など調整を加えるということを読んだことがあります。

大きいものを小さくというのはまだ分かりますが、反対に小さいものが大きくなるとますます違和感が出てきます。例えば可愛い子ウサギでも、もし2mの大きさだったと想像すると逆に怖く感じられます。

我々の脳は本物の大きさや質感なども記憶していて、大きさが違うものに違和感を感じ、補正しようとするためイメージと違って見えるそうです。本物をそのまま縮小して再現しても。リアリティを感じられなかったり美しくないため、そのもの「らしさ」を加えることが作品には必要になります。またそのリアリティがなくては、鑑賞者が共感したり、発見をしたりして感情移入をすることも難しくなります。

根付でもその大きさを活かして本物をそれ以上本物らしく見せるために必要なキーワードです。そしてそこには作家の個性や存在感までをも強調するのがデフォルメといえます。

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